シン・エヴァンゲリオン劇場版 個人的理解に基づくあらすじ(3/8時点)
ついにエヴァンゲリオンが完結した。
今抱いている何とも言えない喪失感から、今回もなんだかんだ完結しないことを期待していた自分に気付かされている。
ぐうの音も出ない完結編だと思う。
物語の整合性とか、散りばめられた謎がどうなったのか?とかはこれから色々な方々の考察を待つとして、感情としてエヴァは完結した。
そんな満足感のある最終作だった。
エヴァの物語を100%理解することは諦めている。
設定云々は脇に置いておいて、心のはなしとしてのエヴァが好きで、これまで観続けてきた。
そんなスタンスで、個人的な備忘としてシン・エヴァのあらすじを残しておく。
自分なりの解釈も多分に入っているので、後々に「全然違うやんけ!」となったらそれはそれで面白いのではないかということでひとつ。
以下、ネタバレしかありません。
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物語はQから地続きに始まる。
人類補完の完遂を目指すネルフ(ゲンドウ)と、その阻止を図るヴィレの戦いは続いており、一進一退の攻防が繰り広げられていた。
一方、「Q」のラストで地球に降り立ったアスカ、シンジ、レイ(仮)は、14年の時を経て大人になったケンスケと再会し、彼の暮らす集落へと招かれる。
「破」のラストで発生したサードインパクトは、加持が自らを犠牲にして食い止めたために完遂せず、一部の人間は生き延びた。(作中ではニアサードインパクトと呼ばれている)
生存者たちは各地で集落を形成し、不自由ながらも逞しく前向きな暮らしを営んでいた。
トウジとも再会するも、自らのせいで世界を滅ぼしかけ、カヲルも目の前で爆散したことで、シンジは完全に心を閉ざしていた。
そんなシンジを突き放しながらも、気に掛けるアスカ。
一方、レイ(仮)は集落での人々との関わりの中で、様々な感情を身に付け始める。
ネルフの目的(人類補完)のためにシンジに好意を持つよう先天的にプログラムされているレイ(仮)。しかし、新たな環境で新たな感情を育みつつあった彼女は、自らの意志でシンジに歩みよる。
レイ(仮)の働きかけで再び生きる気力を取り戻し、次第に集落での暮らしに慣れていくシンジだったが、ネルフを離れては生きられないレイ(仮)の身体は限界を迎え、シンジの前で息絶える。
最終目的たる最後のインパクト発動へ向け準備を整えるネルフ。ネルフとの最終決戦を前に、ヴンダー(ヴィレの母艦)が集落へ寄港。集落に残る選択も有り得たシンジだったが、トウジ、ケンスケたちの暮らしを守るべく再び戦う決意を固め、アスカと共に乗船。
ネルフ本拠地へ乗り込むヴンダーとエヴァ2体(アスカ、マリ)。
激しい交戦の末、ヴンダーは航行停止。アスカはマリと共にエヴァ13号機破壊を試みるが及ばず、戦闘不能。最後の手段として裏コードを発動し使徒を取り込んだために、インパクト発動のトリガーとして利用されてしまう。
インパクト発動。超宇宙空間化する世界。
シンジはゲンドウを止めるため、初号機への搭乗をミサトに志願。
ミサトはシンジをこれ以上、エヴァに乗せたくなかった。エヴァに乗ったことで壊れてしまったシンジの心を、苦しみを誰よりも感じ、後悔していたからこそ、もうエヴァには乗せないと固く決意していた。
しかしシンジの決意もまた固かった。肉親である父、ゲンドウが犯した、そして更に重ねようとしている過ちを、自らの手で止める。
再びエヴァに乗る、と言うシンジに対し、銃を向けるヴンダー乗員。ニアサードインパクトによって家族を失った彼女たちは、シンジが同じ過ちを繰り返すことだけは阻止しなければならなかった。
銃弾から身を挺してシンジを守るミサト。
これからのシンジの行動の全責任を負うことを宣言し、ミサトはシンジを出撃させる。
エヴァに乗り、対面するシンジとゲンドウ。
全人類を犠牲にしてまで目的を遂行しようとするゲンドウに対し、シンジは「話をしたい」と言う。
初めて正面から対話を求めた息子に対し、ゲンドウも初めて心中を告白する。
他人が嫌いだった。苦手だった。なぜ人が他者との関係を求めるのか分からなかった。人はどこまでいっても理解し合えない。他者との関係の中で自分が肯定されることなど無い。ずっと、ひとりの世界を生きていた。
ユイと出会い、それが一変した。
初めて、自分の全てを曝け出し、理解してくれる存在に出会えた。
子供を設けた。父になる、とはどういうことか理解していない自分が、子供を設けた。
理解しないまま、ユイは突然、いなくなってしまった。
ユイに会いたかった。
もうこの世にはいないのだ、という現実を受け入れられなかった。
ユイのいない世界を生きていくことは、考えられなかった。
どこにいる?ユイはどこにいる?
いない。どこにもいない。
もう、どこにも、ユイはいない。
会いたい。
またユイと会いたい。
ユイと会える手段が、ただ一つだけあるという。
他の選択などあり得なかった。
またユイに会う。会える。
それだけが自分の行動原理となった。
こんな自分は息子のためにならない。
息子のために、自分は会うべきではない。
息子とは距離を置いて、人類補完計画に邁進した。
ユイに会いたかった。もう一度ユイに会いたかった。ただただ、ユイの胸で泣きたかった。
シンジがゲンドウに語りかける。
「結局、あなたは逃げ続けただけだ。」
「僕と同じだ。」
「それを分かっているはずだ。」
「分かっている。」
「本当は気付いていた。」
「正しく無い道を歩んでいることを、分かっていた。」
「気付かぬ振りをしていた。」
「本当は、止めて欲しかった。」
人類の思いを背負った、新たな槍がインパクト発動を阻止する。ヴンダー乗員が創り上げた、ロンギヌス、カシウスに代わる新たな槍。
その槍を届けるべく、ミサトもまた加持と同じく、自らの命を犠牲に人類を救う。後世へ未来を繋ぐために。
インパクトが止まる。
ゲンドウと共に消えることを選び、覚悟していたシンジ。
しかし最期に、母親であるユイがシンジを守る。
エヴァの呪縛から解き放たれたチルドレン達は空白の14年を取り戻し、エヴァの存在しない、あるべき世界へと還ってゆく。
時は現代。
解き放たれたチルドレン達は、エヴァ無きいまを生きている。
辛いこと、楽しいことを繰り返しながら、歩むべき世界を、リアルないまを、生きている。
生きていく。
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あくまで個人的な理解です。
次の記事で今時点での感想を箇条書きで少しばかり。