いつも通り何気なくtwitterのタイムラインを眺めていると、「#私を構成する5つのマンガ」なるハッシュタグが。
乗っかるしかあるまい。
といざ考え出したところ、これはかなり難しい。
「好きな5本」なら、5本に絞るしんどさはあれど多分そこまで悩まない。
「構成する」。
この言葉がいい塩梅に面倒くさいオタク心をくすぐる。
「構成する」ってなんだろう。
こうせい【構成】
①いくつかの要素を組み立てて一つのまとまりあるものにすること。また、その組み立て。
②[哲]〔construction〕経験によらずに概念・形式・イメージなどを操作することで対象を組み立てること。
①は分かる。物を成立させる複数の要素の集合ということだろう。
②は、なに?
まず[哲]の時点でピクリとする。
ニーチェやらカントやらキルケゴールやらあの辺の名前がちらつく。
「哲学」については”なんかかっこいい”以外の認識も知識もない。
先の方々も「名前を知ってれば賢そうでかっこいい」という理由で覚えているのみだ。
帰納と演繹の意味も結局よく分からないままふわりと通り過ぎた身に、[哲]から始まる一文はあまりに荷が重い。
②は苦笑いでふわりと受け流し、①に基づいて「私を構成する5つのマンガ」を噛み砕くと、
「私を構成する」=「私の一要素」であり、血液・筋肉・脂肪などの体組成であり、要は「血肉になっているマンガ」である。
しかしこれもまた比喩である。
いかに好きと言えどマンガをもりもり食べて文字通り血肉としている兵はいないと思う。
思う、とやや弱気なのは「エリエールは甘くておいしい」と語った友人がいるからだ。
世の中は広い。私は私の認識している世界のみを世界と思いこみ暮らしている。
ややもするとジャンプを主食、マガジンをおかず、サンデーをデザートとして常食する世界があるのかもしれない。
確かに快楽天あたりは一義的におかずといっても差し支えない。
LOも名前からしてサプリであってもおかしくないし、HOT MILKを寝る前に摂取すれば安眠できそうだ。
かような常識という先入観を打破する根源的な問いかけを、人は哲学と呼ぶのかもしれない。
なんかかっこいい。
しかしよしんば食べたとして、マンガ=紙は植物繊維でありセルロースであるので血肉にはならない。
やはり論理的にも理性的にも「血肉になっている」は比喩であり、精神・心の「血肉」と解釈すべきだろう。
精神・心の血肉、つまり私という人格を私たらしめるものであり、価値観を決定するものである。
ということで「私を構成する5つのマンガ」を、以下のどちらかを満たすものと定義した。
・人格形成に大きく作用したマンガ
・現在のライフスタイルに影響を与えているマンガ
そうこうしているうちにハッシュタグ「#私を構成する5つのマンガ」はトレンドから消え、完全に機を逸した感がすごいが、これを踏まえて考えた「私を構成する5つのマンガ」が以下だ。
備忘のため候補に挙がった作品も含めて、検討の経緯を残しておく。
■tsukaccho(私)を構成する5つのマンガ
・スラムダンク
読み終えた時、この感動を求めて自分は一生マンガを読むんだろうな、と思った。
そしてそうなっている。
あの世界、あの空気を求めて日々を暮らしている気がする。
・ネムルバカ
こういう人への憧れは多分ずっと消えないんだろうなぁ。
・ピンポン
冷めてて、熱くて、寂しい。
かっこいいとか面白いとかの判断基準がこれ、
みたいなとこある。
・幽遊白書
こんなの読んでたら拗らせるよね。
■「好きな5つのマンガ」なら候補に入る作品
・リアル
好き度で言うとたぶんスラムダンクより上。
紺はいいけど嵐山もよくて辰野もいいし真田も…
とぐるぐるする。
・響子と父さん
マンガとしての好き度はネムルバカよりそれ町よりたぶん上。こんな風に生きたいね。
自分が小岩井さんだったら綾瀬家とは一切絡めない。もちろんよつばも引き取らない。
物語は始まらない。
大阪派。
もっというとにゃも派。
あったかいのに、少し寂しい。
空気がええねん、空気が。
シニカルさと際どさと絵。
好きな要素しかない。短編なのもグッド。
旅団編が好きです。
ハードボイルド詰め合わせ。
言いたくなるセリフだらけ。
アーメン・ハレルヤ・ピーナツバターだ。
・H2
あだち充はどれ読んでもほんと面白いのですごい(小並感)
題材的に読み手を選ぶのが非常にもったいない。
さっと読めてしっかり熱くてキャラクターが魅力的。こういうマンガをいっぱい読みたい。
・シンシア・ザ・ミッション
一番好きな格闘マンガ。
・アカギ
ネタ扱いされてるけど、浦部編までは普通にめちゃめちゃ面白い。なんなら鷲巣も普通におもろい。
・ストレッチ
これよ。百合じゃなくこの距離感が欲しいんよ。
これよ。百合じゃなくこの関係性が欲しいんよ。
・BECK
こんなんバンド好きはみんな好きやろ。
・ソラニン
こんなんバンド好きはみんな好きやろ。
・バジーノイズ
こんなんバンド好きはみんな好きやろ。
■「好き」の度合いは上より劣るが「構成する」なら入り得る作品
・ドラえもん
最初に読んだマンガ(多分)。
文庫版の「エスプリ編」、「恐怖」編を愛読していた記憶。
勢いに弱いのは確実にこれを幼少期に読んでたせい。
これも幼少期に読んでたシリーズ。
21巻が一番好き。
・地獄先生ぬ~べ~
オカルト好きになるきっかけ、
と思ったけどその前からポプラ社の怪談系読んでたのでルーツじゃなかったわ。
・あぶさん
昭和に対して「なんかええなぁ」という印象があるのはたぶんこれを幼少期に読んでたせい。
「オタクっぽさ」を意識しつつ手に取った初めてのマンガ。中身は全然だし最高に面白かったが。ガンガンだからか?
4コマといえばみずしな孝之。
・NANA
カッコよさの原点ですよね。
なんなら音楽遍歴の原点だし。
俺も病的に痩せてぇ~。
高校で後追いでまとめ買いした記憶。
ドハマりしたなぁ。
高校の時に読まなくてよかった。
・湯遊ワンダーランド
サウナ漫画の皮をかぶった生き方の啓蒙書。
今の暮らしへの影響度は大。